新築時に「サイディング外壁は塗装が必要ない」と聞いた人もいるかもしれません。ですが、サイディング外壁にも定期的な塗装によるメンテナンスが必要です。

本記事では、サイディング外壁にどのような劣化症状が表れた場合に行うべきか、塗装の時期、費用相場や作業日数について解説します。住まいの外壁がサイディングだという人は、適切な時期に塗装を行えるよう、ぜひ目を通してみて下さい。

サイディング外壁に塗装は「必須」

サイディング外壁には「窯業系」「金属系」「樹脂系」「木質系」の4種類がありますが、どれもすべて塗装が必要です。ここでは、塗装前にチェックしておくポイントや、サイディング外壁の一般的な塗装の時期について解説します。

サイディング外壁の塗装　事前にチェックすることは？

サイディング外壁の塗装を検討する段階になったら、まずは新築の際にコーティングされたかどうかを確認してみましょう。新築から10年以上経っていても劣化症状が見られない場合は、コーティング処理が施されている可能性があります。それによって外壁は保護されているため、塗装しなくても問題ありません。

コーティングされている場合、上から新しい塗料で塗装してもすぐに剥がれてきてしまいます。コーティングの有無については、塗装前に新築時の業者に聞いておくと確実です。

サイディング外壁を塗装する時期と周期

新築から約10～15年経ったころが、サイディング外壁の塗替えを行う一般的なタイミングです。ですが、前段で説明したように、新築時にコーティングされている場合はその耐用年数によって塗り替えまでの期間が異なります

塗替えの周期は、窒素系・金属系サイディングは8～15年、樹脂系は約30年、木質系は3～7年です。現在、新築の8割近くは窒素系サイディングです。

この劣化症状に要注意！

サイディング外壁にはどのような劣化症状があるかを段階ごとに解説します。ぜひ参考にしながら自宅の外壁を自分の目でチェックしてみましょう。下記の劣化症状が起きている場合は、業者へ相談することをおすすめします。

（1）外壁のツヤ落ち、色褪せ
最初に表れる劣化現象です。塗膜を守る樹脂が劣化すると外壁にツヤがなくなり、やがて顔料にも影響が出るようになります。

（2）カビや藻、苔の発生
現在の塗料は、防カビ剤や防藻剤が入っていることがほとんどです。それにもかかわらずカビや藻が発生している場合、塗料の劣化が起きている可能性があります。

（3）コーキング（シーリング目地）部分のひび割れ
サイディングボードの間で緩衝材の役割を果たしているコーキング（シーリング）がひび割れたり、割れてしまっている状態です。

（4）外壁のひび割れ（クラック）
小さなひび割れは、塗装膜が経年劣化して起こります。大きなひび割れは、塗装膜の下地素材が割れてしまっている可能性があります。後者の場合、雨水が侵入する原因になります。

（5）塗膜の剥がれ
塗装膜が剥がれ、外壁を保護できなくなっている状態です。

サイディング外壁　塗装の費用相場・塗料について

サイディング外壁を塗装する際、具体的な費用相場や主に使われている塗料、作業日数などについて解説します。

サイディング外壁塗装の費用相場

30坪の家のサイディング外壁を塗装する場合、工事全体の費用相場は約60～180万円です。内訳は塗料代・人件費・工事費用の3つで、それぞれが費用全体の約3割を占めています。例えば、合計90万円の工事の場合には、各費用は30万円ずつになります。

「工事費用」の内容は、足場、高圧洗浄、養生、素地補修（ひび割れ、削れなど）、下塗り、中塗り、上塗り、防水加工、ゴミ処理などが一般的です。これらは大半の外壁塗装に共通しており、金額もそれほど変わりません。

費用に差が出る部分は「塗料代」です。30坪（100㎡）の塗料代は、フッ素系が約35～45万円、シリコン系が25～35万円、ウレタン系が18〜20万円が目安です。
塗料の値段と、耐用年数・メリットは比例しているので、目的に応じて選びます。

サイディング　外壁塗装の主な塗料

サイディング外壁の塗装で主に使われる塗料は、シリコン系、フッ素系、ウレタンの3種類です。それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

シリコン系
耐用年数が8～15年と長く、価格もリーズナブルなことから、現在最も人気がある塗料がシリコン系です。数多くのメーカーからさまざまな種類が発売されており、選択肢が多い点もメリットの1つです。最初にチェックしておいて損はないでしょう。
また、屋根の塗装にも使えるため、外壁と屋根の両方を一度に塗り替えたい人にもおすすめです。

フッ素系
フッ素系塗料は、耐用年数が15年〜20年ととても長く、汚れがつきにくいメリットがあります。反面、塗装できる職人が少なく、費用が高額なため、一般的住宅ではそれほど使われていません。

ウレタン系
ウレタン系は10年ほど前まで最も外壁塗装に使われていましたが、近年はシリコン系に代わりました。シリコン系、フッ素系に比べて費用は安いものの、耐用年数も同じように約5～7年と短めです。「とにかく価格重視」「長く住む予定がないので、耐用年数は短くても構わない」という場合、ウレタン系もよいでしょう。

この他に、光触媒やラジカル塗料といった比較的新しい商品があります。ですが、新しいために耐用年数の信頼性が若干低い、経験豊富な業者が少ない、限られた色しかないといったデメリットもあります。

外壁塗装の作業日数

サイディング外壁を塗装する場合、一般的な作業日数は約7～10日です。

作業範囲や塗料によって日数は変化しますが、約10日で施工完了します。

まとめ：サイディング外壁も8～15年を目安に塗装を

他の外壁と同じように、サイディング外壁にも周期的なメンテナンスや塗装は必要です。塗装の周期は塗料によって違いますが、主に8～15年が一般的です。工事費用が約60～180万円と若干幅があるのは、塗料の値段が種類によって異なるためです。

サイディング外壁の塗装に使う塗料は、ウレタン系やフッ素に強いこだわりがある場合を除き、シリコン系がおすすめです。耐用年数が長く、リーズナブルなため、現在の外壁塗装の主流になっています。屋根にも使える塗料のため、外壁と屋根を同時に塗装する予定の人は、ぜひチェックしてみて下さい。

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